ビジネス NAGOYA.net

ナゴヤ、愛知県、中部圏へ出店のためのビジネス情報

TOP > ビジネスインタビュー

ビジネス・経営者インタビュー

経営者から見る「ナゴヤ ビジネス」 vol.3

全都道府県を網羅する、日本一の…というより日本で唯一、本格的な多店舗ビジネスに成功しているカレーチェーン「CoCo壱番屋」。今やその店舗数は1000件以上。駅前からオフィス街、郊外のロードサイドに住宅街。あらゆる立地に店舗網をめぐらす同社の出店ビジネス戦略とは?

「目指すは“カレーを食べるためのインフラ”です」

(株)壱番屋 代表取締役社長 浜島俊哉さん

Profile
1959年生まれ、愛知県出身。20歳の時、当時まだ4店舗だったCoCo壱番屋に就職。以後、営業畑の要職を歴任した後、2000年に副社長、そして2002年6月、創業者夫婦の後を継いで社長に就任。一社員から全国有数の外食ビジネスのトップに登りつめた“叩き上げ社長”。

■東京は夕方6時以降の売上が期待できる。
 その感覚をナゴヤ・ビジネスに持ち込んではダメ。

全国どこへ行っても同じ味、同じサービスが受けられるのがチェーン店の魅力。しかし、浜島社長は4年前の社長就任時、店舗ごとの自由度を高めることを大テーマに掲げられました。店ごとの個性が発揮されやすくなったことで、地域ごとの特色や傾向も見えやすくなったのではないでしょうか?
浜島氏 いえ、ビジネスの手法を地域によって変える、という考えはないんですよ。違いが出てきているのは地域よりももっと小さな単位。個々の店単位で、伸びるところは伸びる、といった形で成果は現れてきています。ただし、地域色ということであれば、近年はエリア・期間限定メニューを積極的に投入しています。北海道のスープカレー、関西の牛すじカレー、沖縄のゴーヤカレー、神奈川の海軍風カレー、外国人の多いエリアではナン。近々、東海圏でも限定メニューをデビューさせます。
お膝元の愛知県ではあらゆる立地にCoCo壱番屋がある。この立地選定のデータの蓄積は、他エリアにも同様に活かせますか?
浜島氏 まったく同じだと考えています。愛知県内での立地選定で培ったビジネス・ノウハウは他エリアでもそのまま通用する。ただし、東京だけは特別です。一番大きな違いは夕方6時以降の売上です。都内の駅前の店舗では、夜間、電車が停まる度にピークがある。それが夜中まで続く、いやむしろ終電が近くなる毎にそのピークが大きくなるんです。帰宅前に外で食事をすます単身者が圧倒的に多い。この夜間帯だけで、他エリアの1日の集客数に匹敵するほどです。逆に言えば、東京の飲食店経営者が、それが当たり前だという感覚で名古屋に進出すると失敗してしまいます。東京なら駅前の裏と表に1件ずつ出店が成り立ちますが、名古屋の場合、駅前だから大丈夫、とは言い切れません。
「CoCo壱番屋」では、商圏人口をどれくらいと想定しているのでしょう?
浜島氏

約5万人と考えています。そうすると単純計算で全国に2000店舗は出店できるということ。現在、1000件を越えたところですが(※1)、まだ半分にも達していない、まだ現在の倍の出店の余地があると考えられます。「カレーを食べるためのインフラ(※2)」、これが私たちのチェーン・ビジネスの理想であり最大の目標です。全国どこでも、誰もが気軽にカレーを食べられる。そのためにはまだまだ出店を推し進める必要があると考えています。また、出店戦略だけでなく、デリバリーに力を入れたり(※3)、少量で低価格のメニューを採用していることも、高齢化社会においてより利用しやすい店作りの一環です。

■店舗単位ではなく全店舗での収益を念頭に。
 パスタ専門店のチェーン・ビジネスならではの出店戦略。

カレー以外で注目されるのが、あんかけスパゲティ専門店「パスタ・デ・ココ」(※4)。この新業態ビジネスと「CoCo壱番屋」では、立地の選定に違いはあるのでしょうか?
浜島氏

「パスタ・デ・ココ」は売上が安定的に取れるか否かが第一で、これは他のどの飲食店とも共通しています。しかし、「CoCo壱番屋」の場合、特に愛知県下ではカニバリ(※5)を起こさないことをまず考えます。中部地区だけで300件以上の店舗がありますから、既存店の近くに出店して自社内競合にならないように注意しなければならないのです。ただし、これについても例外はあって、同じFCオーナーさんの店舗でしたら、近くにもう1店舗出すことで既存店の売上が多少落ちても、従業員のシフトを2店舗共通で組むなど、経営効率を高めるメリットが生じる。条件によって重視すべきビジネス・ポイントは変わってきます。

「パスタ・デ・ココ」の今後の出店計画について教えて下さい。
浜島氏 店舗数の第一目標は100店舗。そのために来期中に45店舗まで増やす計画です。やはり3ケタの店舗数がないと、チェーン店ビジネスとしてスケールメリットが生じにくいんですね。駅前、都心部の方が売上を見込みやすいことは確かですが、既存の郊外店も好調なので、今後も都市部・郊外ともバランスよく出店していく考えです。ただし、チェーン・ビジネスにおいては、すべての店舗が採算を取れることよりも、チェーン全体で売上を高めることが重要。
全店舗とも採算性のみを考えるのではなく、利益は二の次にしてでも、ブランドの認知度を高めるための看板となるようなショップを作ることも必要です。「パスタ・デ・ココ」についても、東京の一等地のビルに出店するなど思い切った試みが必要だと思います。
長年、名古屋圏ビジネスを拠点に店舗展開を進めてきた経験から感じる、この地方ならではのユーザーの特色はありますか?
浜島氏 目が厳しいことは確かでしょう。東京だと一度何かミスしても「もう1回チャンスをやるか」と、お客様から猶予を与えてもらえる印象があるのですが、名古屋ではそれがなかなか通用しない。東京では、行列で何十分も並ぶのが当たり前だったりして、実は我慢強いのかもしれません。また、ブランドに対する信頼が厚いのも名古屋近郊の特徴です。おいしいか否か、と同じくらいに、信頼できるブランドか否かが重要な判断材料となる。名古屋で新しくビジネスを始める場合は、単に立地がいいか悪いかだけでなく、認知度やブランド力をいかに浸透させ、高めるか。これらも念頭に置いてビジネス計画を立てるべきではないかと考えます。

<<前のページへインタビューINDEX|次のページへ>>

 
(株)壱番屋
創業者夫婦が喫茶店で出していた手作りのカレーが評判になったのをきっかけに1978年1号店オープン。徐々に店舗数を広げ、カレーチェーン・ビジネスの分野で独走。2006年6月現在1060店舗。豊富なトッピングをはじめとするメニューバリエーション、モットーの「ニコ・キビ・ハキ」(ニコニコ・キビキビ・ハキハキ)に象徴される末端まで行き届いたサービスマインドで、ファンの心をつかんで離さない。
愛知県一宮市三ツ井六丁目12-23
TEL 0586-76-7545
http://www.ichibanya.co.jp/
注釈
※1
1000店舗=そのうち約7割をFC店が占める。このFC展開の柱が、独自ののれん分け制度「ブルームシステム」。社員従業員が平均5年店舗勤務を重ね、スキルやマインドを十分に獲得した上で独立する。CoCo壱番屋のサービス力の高さはこのシステムによるところが大きい。

※2
インフラ=インフラストラクチャーの略。社会基盤。交通、電気、水道、通信、公共施設など、社会や産業の土台として整備される設備。

※3
デリバリー=近年特に力を入れているのがデリバリー(宅配)。店舗の売上の平均2割をデリバリー&テイクアウトで獲得している。中には何と6〜7割をこれで上げている店舗もあるとか。

※4
「パスタ・デ・ココ」=名古屋名物あんかけスパゲッティ(名古屋マーケット徹底解剖・グルメ 〜これが噂の「名古屋めし」参照)の専門店。2006年7月現在16店舗。名古屋市内、愛知県郊外の他、東京でも出店。あんかけスパは元祖と呼ばれる店ではサラリーマンのファンが多いが、「パスタ・デ・ココ」は女性でも入りやすいイメージ作りを図り、あんかけスパの新たなニーズの開拓に力を入れている。

※5
カニバリ=カニバリゼーション。直訳すると“共食い”。自社の商品や店舗が、自社の他の商品や店舗とバッティングし、売上を侵食しあってしまう現象のこと。


 

インタビュアーが見たCoCo壱番屋
Successのターニングポイントはココ

2002年6月、創業者の宗次夫妻から引き継ぐ形で、一社員出身の浜島氏が社長に就任。飲食ビジネスにかかわらず同族経営が少なくないビジネス界において、実に鮮やかなトップ交代劇だった。浜島社長は「チェンジパラダイム・チェンジマネジメント」をスローガンに掲げ、自由度の高い店づくりなど、組織変革に積極的に着手。“新生・CoCo壱番屋”を船出させ、新たな成長期へと突き進んでいる。
(インタビュアー/大竹敏之)

広告代理店  ホームページ制作  ホームページ制作  ロゴマーク  広告  チラシ 
大学受験  幼児教育  自動車  専門学校  幼児教育  幼児教育  幼児教育 幼児教育